2013年01月25日

マリコさん

年が明けて、海の向こうから届いたメール。

一緒にカナダを旅した友人の
近況を知らせてくれるメールを
ウキウキしながら読み始めたのだけど。

メールを読み進めていくうちに
気持ちがザワザワとしてきた。

このザワザワの元がどうか、
間違いでありますように。
でも、間違いじゃなかった。

***
79歳だった母と「80歳になる前にもう一回旅行に行こうね」と
約束していたにもかかわらず、こういう状態では旅行に行く時間が取れないので、
それなら、と弟が申し出てくれて母と二人でカンボジア旅行をすることになり、
よーこに相談をして4月に一旦予約をしましたが、
そのとき体調を崩していた母が「今は海外に出る自信がない」と言うので
残念ながらキャンセル。

その後母の体調はどんどん悪くなり、とうとう起きることさえ出来なくなった
ので弟が無理やり病院へ連れて行ったら、(母は極度の病院嫌い)
極度の貧血で脳梗塞を起こしていることがわかりました。
貧血の治療のため救急病棟に入院。その後脳梗塞の後遺症で右目の失明・認知症の発症、
その上持病だった癌が進行していることもわかり、
5月に見舞いのために2週間帰国。その時点で、最悪の事態が重なれば余命は
3−4ヶ月かもしれない、と言われました。

一旦イギリスに戻って、工事は中断、先に引越し、7月まで続ける約束だった仕事を
終わらせると同時に再帰国をして、それから毎日病院へ通う生活が 始まりました。
ロンドンオリンピックを病院の食堂のテレビで見ながら、見ることのできない母に
中継しましたが、身体の方が辛くて、もうそんなことには興味も示しませんでした。
後半は夜も心配だったので、弟・妹と交代で泊り込みをしましたが、とうとう
帰国から丸6週間がたった9月7日に母は 息を引き取りました。

実母・義母両方の介護に忙しかった母をねぎらうためにと父から頼まれて、
67歳の母をイントレピッドのタイ旅行に誘ったのが2000年。
その後事あるごとに、あのタイ旅行が「人生で一番楽しかった思い出」、
できるならもっとこういう旅をしたい、と言っていました。

一般の「観光旅行」には目もくれず、どうせ行くならエクスプローラの
「冒険旅行」じゃなくちゃ、と言うのが母の信条。
でも一人では多国籍ツアーに参加する自信がないので私が同行しなくては実現しません。
その頃父が病気だったのでしばらくは動きが取れなかったのですが、2007年に父が他界
した後なんとか都合をつけて、やっと2009年夏にバリ島、2010年12月にベトナム、
次は中国の万里の長城を歩こう、と言うのが母の夢でした。

山歩きが大好き・自然が大好き・珍しいものを見るのが大好きだった母にとって、
エクスプローラの提供する旅はどれも魅力が一杯。
小さい文字は見えないので、行きたいツアーのページを拡大コピーして、辞書を引いて
翻訳をしたらしい書き込みが一杯のイントレピッドのカタログが 遺されていて、
楽しみにしていたんだなぁ、と悲しかったです。

出棺の時、棺の中には母が旅行のたびに買い集めた「地球の歩き方」と、イントレピッド、
エクスプローラのカタログ、そして愛用していたリュック サックと
タイ旅行の時に履いたトレッキングシューズをいれて、小さい孫達に
「おばあちゃんはまた旅行に行くんだよ。行ってらっしゃい、と言おうね」と話しました。

今日は母の誕生日です。
エクスプローラとの出会いは母の人生を間違いなく「豊か」にしてくれました。
エクスプローラ、というと母の目が輝きました。大きな期待がいつもあ りました。
そんなことを思っていると、このことをエクスプローラでつながったみんなとシェア
したくなりました。

お会いする機会はなかったけれど、母の口からはよく「エクスプローラの中村さん」
「エクスプローラの富永さん」という名前が出てきました。
お世話になっている人達、という親しみのひびきがいつもありました。
もう少し長く生きていられたら、今頃は「エクスプローラの渋谷さんがね・・・」と
話していたことでしょう。

エクスプローラのお客さんは若い人が中心ですが、
実はこんな高齢のファンもいたこと、
お伝えしたくて書きました。

よーこ、エクスプローラのスタッフの皆さんに、
母の人生にかかわってくださってありがとう、と伝えてくださいね。
もしかしたら、2000年の若くて元気だった頃の母の写真が、
オフィスにまだ残っているのかもしれません。
***


ご縁があって、わたしは
イギリスに住む娘さんと
日本に住むお母さま−マリコさん−
このお二人のツアーを2回手続き
させていただいた。

P1010001 (1).JPG

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マリコさんには直接お会いしたことがないけど、
元気な笑顔は、探検隊オフィスにあるタイやバリ島の
アルバムの中で、たくさんたくさんみてきた。

アルバムのページをめくるたび、
とてもポジティブな気持ちになれるから
私はスタッフ時代、そのアルバムを見るのが大好きだった。
年齢なんか関係なくて
物事を前向きに楽しむヒントみたいのが
マリコさんの笑顔にはたくさん隠されていた気がする。

おととし、娘さんが一人で申し込んだカナダツアーの
手続きのことで急ぎでに連絡を取りたくて
国際電話したけどつながらなくて、
なぜか日本にいるマリコさんに電話をしたことがあった。

「エクスプローラの冨永です」というと
「あらー、こんにちは!」と親しみを込めて
ご挨拶してくれた、あのはつらつとした声を
今でもはっきりと覚えてる。

メールを読み終えた直後の自分は
けっこう動揺してて、
すぐにでもお悔やみの言葉を伝えるべきなんだろうけど
それができなかった。

悲しみ、さびしさ、驚き
そんな気持ちはもちろんのこと
不謹慎かもしれないけど
こんなにエクスプローラを好きでいてくれたんだってことに
感動してる自分もいて。

マリコさんの思い出の旅の数々に
関われたことを、心底誇りに思った。

マリコさんの次の旅にエクスプローラが
お供できたことを、とても嬉しく思った。

これは、中村さんも同じ、
いやそれ以上の気持ち、なんだろな。

小柄な体型だけれど
アルバムの中の笑顔はいつも大きかったマリコさん。
笑顔だけじゃなくて、心もとーっても大きかったんだろうなぁ。

あの場を1年以上離れた今、
こんな気持ちにさせてくれて本当に、
本当にありがとうございます。

お持ちになったトレッキングシューズで
今はどのあたりを冒険中でしょうか?

次の旅も、どうぞお気をつけて
あの笑顔で楽しんでくださいね。
posted by トミィ at 16:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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